現在、日本では仕事をする上でスーツが常用となりつつあります。
意外と知らない人が多いのですが、スーツの着用は日本が受け入れた外国文化の1つです。
その中でスーツの文化は日本特有の常識と混ざり合い、今では日本人デザイナーによってアレンジされたおしゃれなスーツがたくさん販売されています。
つまり日本のスーツ文化は日本独自の文化に発展していると言うことです。そのため、もともとあるスーツに関する伝統が受け継がれている外国の地域では日本のスーツに関する常識とは異なる常識が浸透しています。
もちろんスーツ発祥の地、イギリスでは私たち日本人とは違ったスーツ文化が定着しており、「スーツ」と言う文化の基本的概念になっています。
その中でも、若い世代の人たちのスーツに対する見方は世界的に見てほぼ一致しています。
面白いものですね。スーツという振り幅の少ないファッションには伝統という重い鎖があるものの、それを上手く崩して流行を生み出す方向性は、世界的に共通なのです。
そのため私たちのスーツに関する常識は、日本独自に発展した物でありながらも世界中で受け入れられていると考えても大丈夫です。
しかし、スーツに関する伝統を理解することは、どの年代・どの世界の人に対しても失礼のない仕方で振る舞うことができるため、知っておいて損はない知識です。
特に海外でスーツを着用するときには、このような知識が役に立つこともあります。
ではスーツに関する本来の見方や常識について見ていきましょう。
シャツは下着扱い
かなり昔の話となりますが、スーツのジャケットの下に着用するシャツは下着とみなされていました。
そのためジャケットを人前で脱ぐことはタブーとされていました。「シャツ=下着」なので、ジャケットを脱ぐことはスラックスを脱ぐことと同じ意味だったのです。
しかし、それではとても不便ですよね。ジャケットを脱ぐ瞬間は意外と多いです。
- 暑いとき
- 体を動かす作業をするとき
- 小回りを利かせたいとき
- デスク作業に集中したいとき
そんな時にジャケットを着たままでいることは、仕事そのものの効率を落とすことにも繋がります。
実は、この状態をどうにかするために考案されたのがベストなのです。
今ではファッション性の要素が強いベストですが、実は下着を隠し、フォーマルさを演出するためのアイテムだったのです。
そのため、このような慣わしに従ってきた人は人前でジャケットを脱がなかったり、ベストを必ず着用するようにします。
この歴史を知っているか知らないかだけでも、ベストを着用している人の印象やベストを着けないことへの印象が変わりませんか?
ジャケットのポケット
ジャケットの両脇にはポケットがついています。そしてポケットの上にはフラップという蓋がついています。
本来フラップは雨などの進入を防ぐ目的で作られました。現在ではポケットに入れたものを盗まれないように守る働きをしています。
しかし、伝統的なスーツにはこのフラップがついていません。そのため古くから受け継がれているスーツスタイルを好む人は、フラップをポケットの内側に入れ込んだりしています。
今度よく見てみて下さい。意外とフラップをポケットの中に入れ込んでいる人は多いです。
その場合、見た目のスタイリッシュさを優先したり、購入した時にフラップが中に入っていたからそのままにしている・・・などの理由もありますが、伝統にならっている場合もあります。
また、胸についているポケットはボールペンなどを入れるものではなく、本来はポケットチーフを入れるためのものです。
これは実用的な要素を考慮してつけられたものではなく、おしゃれ的な要素を考慮してつけられているものです。非常に便利なところにあるために、ついついペンなどを差し込んでしまいがちです。
もちろん間違ったことではありませんが、スマートに見せるためにはポケットチーフを入れるのがベストです。
スラックスはサスペンダー使用
スラックスのウエスト部分をベルトで締めると、どうしてもシワがよってしまいますよね。
この状況を回避するために使用されるのがサスペンダーです。スラックスにしわが寄っていたらスーツのスタイリッシュさが台無しです。
特にブリティッシュスーツではサスペンダーを使用するのが一般的で、スラックスの内側にはそれ用のボタンがつけられています。
最近流行っているスーツは細身のものですので、ベルトを使用してもシワがよることはあまりないかもしれません。
しかし、サスペンダーを使用してスラックスをはいた場合、こうしたスーツの背景を知っている人からしたら「おっ」と思うため、ちょっとした知識として持っておくと便利です。
その他のこだわり
その他にも様々なこだわりを持って作られたスーツがあります。
たとえばジャケットの袖がボタンによって開け閉めできる本切羽というものがあります。これが採用されている理由には様々な説があります。
手を洗うときに便利だとか、スーツの仕立て屋が自分のスキルを自慢するために組み込んだというものが代表的です。
いずれにせよスーツにこだわりを持っていることを示す細工であることには変わりなく、スーツの伝統を重んじる人に好印象を与えることができます。
もちろん上記で取り上げたこと全てはもともとのスーツの常識であり、最近では新たな常識が作り出されているために、古いものをあえてフォローする必要はないかもしれません。
しかし、新しい物が次々に生み出される現代において、あえて伝統的な知識を蓄えることは、いざというときに役立つことはいうまでもありません。全てはその伝統を応用した物なのですから。
ブラックスーツ
ブラックスーツに関する常識や伝統もあります。
「ブラックスーツ」と聞くと想像するのは葬式ですよね?
最近ではブラックのスーツはどのようなシーンにでも着用できる方向に変化してきているため、一着持っていると重宝すると考えられています。どんなシャツやネクタイにも合わせやすいスーツのカラーはダーク系だからです。
しかし、ブラックスーツは一昔前まではタブーであるシーンが多数ありました。
と、いうことは年代によってはブラックスーツを着用するシーンによっては良かれと思わない人がいるということです。今の若い世代はフランクになってきているのですが、日本は年功序列社会。年上に好印象を与えておいて損はないのです。
本来は冠婚葬祭用
本来、ブラックカラーのスーツは冠婚葬祭用。落ち着いた印象を与える黒のスーツはフォーマルのシーンにのみ着用していたのです。
そのため、普段の生活の中で着用することはありませんでした。
しかし、かなり前からダークネイビーやダークグレーのスーツは一般的なシーンについて着用されるようになりました。こうした背景からか、最近ではほとんど黒に近いカラーのスーツが多々販売されるようになっています。
ただ、気を付けるべきは就職面接などです。
この場合では面接官が上記で述べた「常識」を重要視することがあります。
何かの試験や面接などで「試される場面」では、今回紹介しているような「常識」を守る方が無難と言えます。
ヘビロテ必須
厳密にいうならブラックスーツは、いつでも着用できるものではありません。
しかしスーツ販売店でもブラックスーツが普通に販売されていることからも理解できるように、今ではおしゃれの一環としてブラックスーツを着用することが一般的になっています。
1着持っていれば、仕事着としても冠婚葬祭用としても用いることができるために非常に便利です。このような「オールマイティーなブラックスーツ」とするためには、無地のものをチョイスすることが必須条件となります。
ストライプやチェック柄の入ったものは仕事着としてはおしゃれですが、本来着用すべき冠婚葬祭用としては向いていません。
しかし中には材質の違った生地を使用してストライプを表現する、シャドーストライプという柄があります。
このようなものは冠婚葬祭用としても着用できる場合があります。
また、シングルのものであれば、カラーの異なるベストを合わせて結婚式の二次会などにおしゃれスーツとして着用することができます。
実際にリバーシブルのベスト付きの3ピースブラックスーツが販売されていたこともあり、このようなものは活躍の幅を広げてくれます。
ブラックスーツの購入に戸惑いを感じたら
コーディネートが非常にしやすいブラックスーツは、多くの人に人気があります。ブラックは着る人をスマートに見せる効果があるので、着るには嬉しい1着です。
しかし、上記のように厳密にいうならこのようなスーツは「いつでもどこでも」着用することはできません。そのためブラックスーツの購入にいまいち踏み切ることができないという人もいます。
そのような人にお勧めなのはダークネイビー、もしくはダークグレーのスーツです。
ブラックに非常に近いカラーの生地が使用されているものであるなら、ブラックスーツ同様コーディネートがしやすく、尚且つ体型をスマートに見せることができます。
また、ブラックスーツであっても、ストライプが入ったものであるなら、一般なシーンで着用しても問題はありません。
ストライプが入ったものは、昔は冠婚葬祭の席では着用することができず、おしゃれな仕事用のスーツとして受け入れられているからです。もちろん会社の面接などに着用するものとしてはお勧めできませんが、オフィスなどで着用する場合はおしゃれな雰囲気をかもし出すことができます。
個人的な感想ですが、冠婚葬祭用のフォーマル(礼服)は仕事着として着用することは避けたほうがいいです。
ここで紹介したブラックスーツはフォーマル(礼服)のことではありません。フォーマルはフォーマルとしてシャツや靴など着方があります。
時代がフランクになってきたからと言って、これを仕事で着用してしまっては明らかに少し浮いてしまいます。
しかし、ブラックスーツは仕事着としても着用できるものです。このことを考えるなら、スーツとフォーマルを購入するよりも、ブラックスーツを一着持っていたほうが使い勝手がよいために、この手のスーツは現代社会で必須アイテムの1つであると思います。
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